たまたまNOTTV関連の記事を漁っていたら6/11のASCII.jpの記事に興味深いクダリがありました。

Sakkaku

NOTTV担当者をユーザーが直撃! スマホと放送の未来は?

NOTTV自体には全然興味ないので本編はまあどうでもいいとしてw
なるほど!と思ったのは、
ネットで成功したビジネスっていうのはどれも錯覚を生むものです。
という部分でした。

もう少し詳細に引用させていただきますと、
その答えは“得した感をどうすれば演出できるか”にあるのかもしれません。ネットで成功したビジネスっていうのはどれも錯覚を生むものです。ニコニコ動画も、本当はリアルタイムじゃないけれど、コメントが流れるという見せ方のおかげで、たくさんのひとと同時にコンテンツを見ているという錯覚を生んでいる。同じように、番組をたくさんもらえるという感覚が生む錯覚があるかもしれない。
これはなるほどと思いました。

確かにニコ動が神だったのは、動画に文字が乗っかるという部分ではなく、本当はみんなバラバラのタイミングで視聴してるのに、一緒に観てるかのような一体感が出る仕組みでした。
これは、Twitterに対応したTVやtorneで番組を見ながらTV局毎のハッシュタグが付いたTweetを見てもイマイチ面白くなく、視聴者数の割にはTweet数が貯まらないことをみても分かります。しかもTwitterでは基本的にTweetは一瞬で流れてしまってストックされないので、ニコ動のようにコメントがある程度蓄積することもありません。

何度でも後から見れる動画サービスの特徴と、それにコメントも合わせることで、いつ見てもみんなで見ているライブ感を出す仕様にしたのがヒットした理由なんでしょう。

さらに最近ヒットしたサービスで言うと、auスマートパスがユーザーに錯覚させることでスマッシュヒットになっているのかなと思います。

月額390円でアプリが使い放題、落とし放題。

これだけ考えると確かに安いしお得感があります。なんたって390円で本来なら有料で数百円のアプリが数百種あって取り放題なんですからね。

しかし、年間5000円払うと考えればどうでしょうか?

機種変した月は嬉しくていろいろアプリが欲しくなるでしょう。
けどそのモチベーションを何ヶ月も維持して常に新しいアプリを探す人は実はそんなに多くありません。
ましてやAndroidの世界は無料及びフリーミアムが支配する世界です。年間5000円も有料アプリを買う人はコア層でアプリ好きな層でしょう。

つまり本来は年間5000円もコンスタントにアプリを買うはずではないライト層に、もの凄くお得なサービスだと錯覚させて5000円払わせているんですね。

錯覚とは言ってもユーザーにとって価値あるアプリをラインナップしているので、別に粗悪なサービスを買わせているわけではなく、あくまで”本来無理には必要ない”、”単品で数百円ですよと言われたらいらないと答える”ようなアプリをまとめて見せることで、結果年間5000円も払わせていると。

ただ、ショップで契約時にワケも分からないままサービスを契約させるという荒業か使える分、キャリア主導のサービスは有利だと思いますが。

ひとえに錯覚させると言っても、
・ユーザー数が多いと錯覚させる
・コンテンツが多いと錯覚させる
・非リアルタイムをリアルタイムと錯覚させる
・一瞬の需要を長期の需要へと分散させる
・(タダで貰えて)自分は得していると錯覚させる
といろいろあって、とは言え商売とはそういうものだろう・・と言われそうですが・・

これからネットサービスを考える際は如何にユーザーにコンテンツやサービスをいい意味で錯覚させるか・・が重要なのかなあと。
とは言えこれが難しいんですけどね。